HOME

鹿児島〜伊勢1泊2日

※文中の()内の数字記号は昭文社刊ツーリングマップル(2000-2001年度版)のページ/エリア番号です。

2000年8月5日

広島〜尾道

バンディット

広島をすぎると、またアップダウンが大きくなりだす印象になる。高低差もさる事ながら、ひとつの山の距離がかなり長い。気の遠くなるような長い下りなどもあり、なかなか退屈させてくれない。

下松での肉うどんが効いたのか、広島を過ぎるあたりから体に何か火が入ったような頼もしい感覚にちょっと戸惑う。ツーリング・ハイという感覚がこれなのかわかならいが、ここは流れにまかせよう。ややペースを上げだして、志和、西条と抜け、小谷SAで給油休憩。午前8時20分。マップルの広域地図を見ると、大阪が見開きページの右端に現れてきた。よし、これでだいたいのめどがついてきたぞ・・

(中国・四国P.41/5H)

中国道の終点までは残り280キロあまり、このあと給油は2回もあれば足りるだろう。おそらく大阪の都市部では給油ポイントはないだろうから、神戸か西宮あたりで満タンにしておくのが良いかもしれない。あとは名阪国道か伊勢道あたりで入れれば、キャンプ場までは余裕だろう。

まるで目的地が見えたかのような気分にひたる瞬間ではあったが、実際にはまだ500キロ近くある。気が抜けないうちにエンジンスタート、出発。河内、本郷と、あいかわらず高低差のゆるやかな大きい坂を越えつつ、トンネルを抜ける作業に終始する。山陽道最高地点、という看板もあったが、どのあたりだったか思い出せない。(※注3-1)

そんなこんなで、すこし退屈しかかってきた時、目の覚めるような標識が目に入った。「尾道」である。私たちはちょうど青春期に角川映画の洗礼を受けた世代、尾道3部作などの映画で有名なこの地には一種の憧れを感じていた。それがいま目の前を通り過ぎようとしているのだ。開通間もないしまなみ海道もここからだとすぐの距離。ああ、この次はきっとこのインターを降りよう。そして、まだ見ぬ聖地、四国へと思いは飛ぶのである。


岡山、そして、神戸

広島県東端の福山市を通過し、岡山県に入る。倉敷あたりからは、縦方向に走る瀬戸中央道、岡山道へのjctが多い。瀬戸中央道を下れば瀬戸大橋を渡って対岸の香川・坂出市へ達する。岡山の手前の吉備SAで給油休憩。午前9時50分。本場のきびだんごを試食、うまい!

(中国・四国P.35/4G)

このあたりの山陽道は北東方向に走る感じで、マップルも斜め右にめくっていかないと道路が追いかけられないので少々不便だ。ここでマップルはついに関西版へバトンタッチ。

(中国P.36/2B) と (関西P.42/2B)

は同じページ内容なのだ。

山陽道の語源(たぶん)の山陽町をすぎ、和気、備前、そして兵庫県に入ってゆく。忠臣蔵で有名な赤穂、姫路と抜けると、地図上ではすぐ上に山口jctで離ればなれになった中国道が見えている。加古川、三木、そしていよいよ神戸と、ようやく関西圏に到達。

神戸jctで中国道と涙の再会、すぐ先の西宮名塩SAでルーティーンの給油休憩。時刻は午前11時半。ここでBands!関西の代表、HP氏に電話連絡を入れる。走行中なのか、留守電に切り替わった。現在神戸まで来ており、おおむね予定通りとの報告を録音し、GSでガソリンを満タンに。ここでやはり新鮮なのは、周囲の人々がみな関西言葉だという事。私の鹿児島弁を理解出来る人は、まず1人も居まい。

(関西P.37/6G)

神戸〜吹田、大阪中心部へ

神戸をすぎ、宝塚、伊丹と進む。さすがに交通量は多いし、車間もやたら短い。でも噂に聞いていた極悪マナーの車輌はほんの一部のようで、イナカ者のおのぼりさんにはありがたい。左側を走っているのはモノレールの軌道のようだ。流れのよい3車線をたんたんと進む。

吹田の料金所で、今日の午前1時すぎに800キロ彼方の横川インターで受け取ったチケットを渡す。中国道13,700円、近畿道400円也。3万円のハイウェイカードは初めて使ったが、なかなか気分がよい。ただ、チケットが濡れたりして機械に通せない場合は現金決済を迫られるので注意、だ。

(関西P.38/6E)

大阪の中心部へと進んでゆくが、標識が意外としっかりしていて途方にくれるような事はない。各jctも比較的スムーズに流れる。ただ排ガス濃度はかなりのものだ。福岡や北九州の都市高速だってこんなに濃くはないだろう。止まれるPAもないので、さっき西宮名塩SAで覚えておいた”近畿をまっすぐ”・・”松原から西名阪”・・”ラストは天理で名阪国道へ”という呪文を繰り返しつつ、迷わないようにしなくては。

ここに来るまで同じ方向へ走るバイクは数えるほどしか見なかったが、さすがに都市部だけあってバイクが目立って増えてきた。しかもみな速い!車の後ろについてペースを合わせるなんて人はまずいない。機動力にモノをいわせて、さっと右に左に駆け抜けていく。後をついていこうかとも思ったが、ちょっと怖いのでやめた。道の左右に見える下道にはやたらとヤマハR1が走っているのが見える。鹿児島ではほとんど見ないスーパースポーツバイクだが、さすがに都会だなぁ・・。

※注3-1 山陽道最高地点:
(中国・四国P.42/5D)
県道50号との平行区間に看板あり。県道からもよく見える。
北緯34°28’10.8” 東経133°01’44.8”[ 標高370m] (WGS84)
(於2001年9月19日現地確認 / 2005年12月21日測地系WGS84で書き換え)