
おとなりの熊本県を代表する川、球磨川ぞいに作られている大規模自転車道、球磨川サイクリングロードをご紹介します。人吉市の中心部から球磨郡湯前町までをほぼ東西に走る、約30キロの行程。正式名称は一般県道湯前人吉自転車道線といいます。
これ以降はその2に書いてあります。
ツーリングマップルのページ記号は2003年春以降に発売された新版を基準にしています。
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shun(作者)の自宅のある薩摩川内市から人吉市までは片道約80キロの道のり。自家用車でR267を北に走れば2時間たらずで到着します。

人吉市街地の中心部にほど近い人吉城址。球磨川のほとりにあり、春には花見客で賑わう桜の名所でもあります。城址から道路をはさんだすぐ向かいに、人吉市役所と隣り合っている観光客用の無料駐車場があります。
ツーリングマップル九州P.43人吉5-D 旧版P.59人吉6-C
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では、車から自転車をおろし、サイクリングロードを目指して走り出してみましょう。

城址のそばに架かる水ノ手橋で球磨川を渡り、市街地方向へ向かいます。橋を渡ってすぐ最初の信号のある五日町交差点を右に曲がり、道なりに球磨川下りの発船場のある方向へ。このあたりはとても賑やかで車の往来も多く、路肩を走る自転車はちょっと肩身が狭いです・・。

球磨川下りの発船場を過ぎて、踏切を渡ると道は少しきつめの登り坂に。このまま頂上部分にある曙橋交差点を目指します。
てっぺんに着いたら、標識が示す西都・小林・国道219号方面に向かって右折。信号のある横断歩道を渡り、曙橋の坂を下りながら球磨川をふたたび渡ります。正面には高速道路の高架橋が見え、ちょうどその真下あたりが球磨川サイクリングロードの実質的な末端にあたります。計画図では今まで走ってきた市街地部分も自転車道として整備するような事を書いてありましたが、いくら何でもあの狭苦しい街中に自転車道を整備するのは無理な気がしますね。
2007年3月18日追記 地元のサイクリストにお話を伺ったところ、混雑する街中を避けるために渡し船を利用するという大胆なコース構想もあったそうですが、残念ながら実現には至らなかったようです。

2012年4月15日追記 交差点付近の歩道部分が剥がされ、道幅を広げる工事が始まっていました。元々かなり狭い道ですが、これが終わればいくらか走りやすくなるのではと期待しています。


さて、高架下に到着しました。土手側に小さな看板があって、ここが球磨川サイクリングロードである事を示していてくれます。
ツーリングマップル九州P.43人吉5-E 旧版P.59人吉6-C
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それでは、ここから約30キロ彼方の湯前を目指して走行開始!

このあたりはまだ歩行者と共用になっている普通の歩道といった感じで、自転車専用道という雰囲気はありません。人通りもほとんどなく、走りやすい事は走りやすいのですが、他の細道との交差部分にいちいち立ててある車止めの柱が邪魔ですね。何だか逆に自転車の方が通せんぼされているような気分です(笑)。

しばらく行くと信号付きの大きな交差点に出ます。ここに立っている矢印看板に従い、サイクリングロードは左(東)へ方向転換。

道路を渡った先には距離表示付きの大きな看板もあり、やる気が湧いてきます。しかし向こう側に見えているのは、大きく波打つ起伏のある長い道・・。
ツーリングマップル九州P.43人吉5-E 旧版P.59人吉6-C(旧版には道の記載なし)
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道はまだまだ始まったばかりです。のんびり行きましょう。


田んぼの横を走りながら支流の鳩胸川を渡る時、右手奥に小さな滝が見えます。そこから少し先に行った所にある食堂の前で、右折ポイントを示す矢印看板が現れます。ここから横断歩道を渡り、一般道と別れて山林の中へ続く自転車道へと入ってゆきます。
ツーリングマップル九州P.43人吉5-E 旧版P.59人吉6-C(旧版には道の記載なし)
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この部分は完全に自転車専用道という感じで、走っていて気持ちがいいですね。木漏れ日の中、ゆるやかなアップダウンを進みます。途中、川岸から先ほど見た滝の所まで降りられる下篠堰(くだしのぜき)という休憩所もあります。

ここは一見きれいな路面に見えますが、場所によっては下から木の根っこに押し上げられて出来た大きな亀裂が走っています。ロードレーサーの細いタイヤで勢いよく突っ込むと、落ち葉の下に隠れている段差に乗り上げてガツンとショックを食らいますので注意です。


人吉城址から5キロ弱の地点、先の下篠堰から1キロも行かないうち、道は鳩胸川橋を渡って国道219号へと出ます。道路をはさんで正面に見えるのは、大型公園の人吉クラフトパーク。大きな駐車場や売店、食堂、レンタサイクル、キャンプ場まで備え、もちろん水場や男女別水洗トイレも完備です。
ただし向こう側に行くには、押しボタン式信号のある横断歩道を渡らねばなりません。隣接市への連絡道や高速インターへの出入り口が近くにあるため交通量はかなり激しく、たった1台の自転車のために流れを遮断するのは、ちょっとためらわれます・・。
ツーリングマップル九州P.43人吉6-E 旧版P.64えびの1-D
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ここに建ててある矢印看板どおり、球磨川サイクリングロードはここから湯前に向かって左方向に折れ、しばらく国道219号沿いを東に進むコースになります。
ちなみにここから右方向にもサイクリングロード・人吉方面という表示がしてありますが、走ってみてもごく普通の歩道しかなく、サイクリングロードとしての整備はまだされていないようでした。

人吉クラフトパークからゆるやかに坂を下ると、国道219号からえびの市方面へ向かう国道221号との分岐点が見えてきます。ここを右方向に行けば、ドライブの名所としても有名な人吉ループ橋があります。
このままもう少し国道219号沿いに進みましょう。このあたりから少し上り勾配になります。

人吉クラフトパークから2キロほど進んだ所で、ふたたびサイクリングロードの距離表示のある大きな看板と、左折を示す矢印看板が現れます。ここで国道219号とはお別れ。いよいよ球磨川の本流方向へと向かいます。
ツーリングマップル九州P.43人吉6-F 旧版P.64えびの1-D
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この球磨川サイクリングロードには、川沿いを走るコースとは別にもう1本、山沿いルートが設定されています。入り口はこの場所からもう少し国道219号をまっすぐ進んだ先にあります。詳細は球磨川サイクリングロード・山沿いルートでどうぞ。

球磨川の支流でもある小さで川(さでは糸へんに麗)に沿って進むと橋が見えてきます。ここは案内どおりに右へ折れ、橋を渡ります。
球磨川サイクリングロードは基本的に川沿いにまっすぐ伸びている道ですが、このように支流が流れ込んでいる部分では橋を渡るためにちょっとややこしい道筋になっていたりします。でも各所でしっかりと道案内の看板が立てられているので、初めての人でもコースを見失う心配はありません。

道なりに進み、途中にある伊沢踏切を渡ります。すぐ近くには県立球磨商業高校や、くま川鉄道の肥後西村駅(ひごにしのむらえき)があります。
この先には球磨川の本流があり、木綿葉大橋(ゆうばおおはし)の下をくぐり抜けた先に、いよいよ本格的なサイクリングロードが待ち受けています。

ここにある短いトンネルの壁には、近くの学校の生徒が描いた、球磨川の自然の情景をモチーフにしたカラフルな壁画があります。時間があったらゆっくり鑑賞してみて下さい。

川沿いに出ると、あたりには視界をさえぎる大きな建物もなく、人吉盆地の周囲を囲む山々がよく見えます。
道幅も広くなっていて、すぐ横を走る車道とほとんど同じサイズか、場所によってはサイクリングロードの方がきれいな舗装に仕上げられているほどです。
さあ、思う存分走りましょう!


人吉城址を出発してから約11キロ、一武(いちぶ)という所にある休憩所に到着。男女別のしっかりした水洗トイレと、飲み水の出る水道があります。ただし座って休憩出来るベンチは設置されていません。
ツーリングマップル九州P.43人吉5-G 旧版P.59人吉6-E
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球磨川サイクリングロードは全線に渡って民家に近く、少し道を外れればお店もありますが、コース上での水場やトイレはこのような休憩所が頼りです。



各休憩所にはサイクリングロードの全線と現在位置を表した地図看板が備えられているのですが、どういうわけか場所によって上下(南北)の向きが違っているのです。これに気付かずに地図上の地名だけを見て追いかけていると、幾ら走っても目的地が全然近づいて来ないような錯覚にとらわれ、ちょっと混乱してしまいます。
コース全体が東西に長く延びているため、おそらく地図の設置場所が道の右側か左側かによって、実際の進行方向と合うようにしてあるのではないでしょうか? しかし、ちょっと余計なお世話という気もしますね(笑)。

一武の休憩所を出るとすぐ、サイクリングロードは堤防の下側へとつづら折れに降りてゆきます。このような場所が球磨川沿い全体に何カ所かあり、道はいいけど単調になりがちなコースに変化をもたらしてくれています。

堤防の下もほぼ同じ広さの舗装路が続き、実に快適。途中いくつもある橋の下をくぐり、どんどん上流へと向かいましょう。


球磨大橋を中心とした球磨川河川敷一帯は、希少種ツクシイバラの自生地としても有名な場所。毎年5月中旬から6月にかけて、ピンク色のかわいい花(たまに白っぽいのもアリ)がそこかしこに見られます。
ツクシイバラはノイバラの変種といわれ、熊本以外にも宮崎や鹿児島などで見られますが数は少なく、1か所にこれだけ群生しているのは非常に珍しいそうです。ノイバラと違う点は、枝の先に赤い毛のようなものが細かく生えていて、花も少し大きめ。花の時期もノイバラよりやや遅く、後を引き継ぐように咲きます。


人吉城址を出発してから約17キロ、明廿橋(めいはたばし)のたもとにある向町河川公園に到着。堤防の上に男女別水洗トイレと水場が設置されています。
ツーリングマップル九州P.43人吉5-G 旧版P.59人吉6-E
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ここには小さいながらベンチもあり、川沿いには広々とした芝生の立派な公園があります。



球磨川サイクリングロードでは、途中多くの支流に架かる小さな橋を渡りますが、どれもきちんと整備されていて感心します。それぞれの橋に付けられている名前も面白いですね。鮎にフナに追河(オイカワ?)、上流にはヤマメ橋や、カマの柄なんていう名前もありました。欄干に埋め込まれているレリーフの意匠もなかなか凝っているので、道すがらチェックしてみてはいかがでしょう。