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大観峰コーヒーブレイクミーティング・春

※文中にあるツーリングマップルの記号数字は2002年版以前のページ/エリア番号です。

2004年4月4日

濃霧の大観峰

大観峰のバンディット

この日の阿蘇の観光名所・大観峰には濃い霧が流れていた。霧と言うよりも雲に近いくらいの真っ白な固まりが、草原を吹きわたる風といっしょに次々と現れては消えていく。

観光客もまばらなメイン駐車場の手前から右側に坂を下り、第3駐車場の奥の方にBandit250を停めて荷を降ろす。時刻は午前10時ちょうど。天気のいい日ならクルマやバイクでぎっしりと埋まる大観峰、場所取りにさえ苦労するくらいだが、今日はこんな天気なのでわけもない。

ツーリングマップル九州P40/B-1

始めてもう4年くらいになるだろうか、ここ大観峰で春と秋の年2回、コーヒーブレイクミーティングという小さな集まりをやっている。主催者で地元熊本在住のKb氏と、大分のGSさん、そして鹿児島県から作者の3人が集まり、コーヒーの道具や水をそれぞれ分担して持ち込み、ここ大観峰に集まってくるライダーたちに1杯の熱いコーヒーを振る舞おうと言うものだ。元ネタはカワサキのKCBMにあるが、同好の志レベルなのでもちろん規模ははるかに小さい。

当初は主にネット経由で知り合った九州各地のライダー達が時々ここ阿蘇に集まってバーベキューなどを楽しんでいたのだけど、主催者(幹事)が変わるにつれ形態も変化し、今のようなお茶会となったもの。バーベキューみたいにお金を取るわけではなく、あくまで余暇を楽しむ集まりという事で、コーヒーカップも各自持参して貰い、コーヒー豆や茶菓子などの差し入れも大歓迎。あとはここまで走って来る気があれば、どこの誰でも名水の誉れ高い阿蘇の湧水(と言っても容器持参すればタダでいくらでも汲める場所があちこちにある)で煎れた旨いコーヒーを味わえるという次第。

本当はツーリングライダーの多い夏場にもやりたいところだが、さすがの高地大観峰でもクソ暑い炎天下で熱いコーヒーを飲もうという酔狂な人はいない(以前やって懲りたのだ)から、阿蘇の冷気を走り抜けた後に暖かいものが恋しい時期になんとなく落ち着いた。夏場にはアイスコーヒーでも出そうかという話も一時あったが、バイクで冷水や氷を持ち込むのはやはり厳しい。もとより3人とも無理をしてまでやるつもりもないので、これでいいのだ。


ライダーたちが集う

集まってきたバイクたち

そうこうしているうち、ポツポツとライダー達が集まってくる。お山の下は晴れているらしいけど、山上の有様を見て「こりゃ中止だな」とUターンしていった人もあとで聞いたら多かったそうだ。最初に会ったのは八代からBandit400Vを走らせてきたSさん、どうやら私よりも先に着いていたようで、とりあえずガソリンストーブで手持ちのココアなど入れてみる。熱い一口が体の奥にしみ込んでいく・・。

携帯が鳴って、主催者のKbさんから連絡が入った。なんと10キロほど先の阿蘇外輪山・ミルクロードの途中でバイクがガス欠してしまったとの由、水汲み担当の彼がいなくては話にならない。一口飲んだだけのココアをSさんに託して救出に向かったはいいが、いっそう濃くなった霧の中でヘルメットのシールドがすぐ曇ってしまう。開けて走ると今度は氷雨のような小さい雨粒が容赦なく顔面をたたく。あとで鏡を見てみたら両頬とも子供みたいな薄紅色に染まっていた。

この後はどんどん参加者も集まり、駐車場はいつもの賑やかな雰囲気になっていく。今朝の北部九州方面は豪雨に見舞われていたらしく、今日この場所に来ている人たちはかなりのツワモノと言ってもいいだろう。

こじんまりしたテーブルです

さて、ミーティングといっても「店」を開いているのはいつも朝10時からお昼時まで。かなり遠方から来られる方も多いし、阿蘇には他にもいろんな楽しみがある。ダラダラと続けず、早めにスパッと切り上げるのがいいのだ。

しかしここでまた問題が発生、大分のGSさんのバイク(ホンダ・トランザルプ400)の後輪がどうもパンクしているようだ。よく観察してみるとエアバルブの根本からわずかに気泡が出ている。このタイプはチューブ式とはいえ、巨大なタイヤは一般的なオフ車と違ってそう簡単には外せない。上の駐車場にいる一般のライダーや売店、観光バスの運転手さんに尋ねて回ったが、パンク修理剤やエアポンプの類は誰も持っていないようだ。いつもは作者のBandit250にもエアポンプが備えてあるのだが、先日掃除をしたさい外してしまっていた。修理するにしても一番近いGSはやまなみハイウェイにある瀬の本くらいだが、つぶれたタイヤのまま10数キロは走らなくてはならない・・。

さいわいクルマで来ていた方が、GSさんといっしょに市街地のバイク店まで行ってくれる事になり、残った我々はトランザルプのお留守番。しかし小雨や時にはヒョウのような氷の粒まで降ってくる山間の天気にたまらず、いつものブルーシートで簡易タープの風よけを張り、売店で買ってきた缶コーヒーとタコ焼きをつつきながらガソリンストーブを囲んだ。これも遠目から見ればまるでホームレスの集会のような体、寒さも忘れ、思わず笑いがこみ上げてくるのだった。


またお会いしましょう

そろそろお開き

結局帰路についたのは午後4時も回った頃、鹿児島の自宅に着くのは午後8時を回るだろう。いつもはまだ明るいうちに着くのだが、マァたまには今日のようなハプニングもあとで思い返すと楽しいものだ。その後別のイベントで集まる機会があった時、GSさんも私もエアポンプをガッチリ携帯していたのは言うまでもない。

次回の開催は10月頃を予定している。九州近傍の方で阿蘇ツーリングの際は、ぜひ立ち寄っていただきたい。ただし近所にGSはないから、なるべくガソリン満タンおよびパンク修理セットの持参をお薦めしておく。


おしまい

本日の走行
486km
ガソリン
2,288円(22.0L)
食費など
2,450円
合計
4,738円