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KCBM in SPA直入 '03

※文中の()内の数字は、昭文社刊ツーリングマップル(2000-2001年度版)のページ/エリア番号です。

2003年4月20日

R57東進

国道57号を東へ

ガソリンを補給し、阿蘇を横切る動脈R57で一路、大分方面へ。

(九州:P39/E-4からH-4)

熊本市街地では晴れていても、阿蘇の中に入っていくと天候が急変して雨が降り出すのはよくある事だが、瀬田裏あたりを過ぎると霧がだんだん濃くなり、ついには視界が真っ白になった。今日はカッパにブーツカバーの雨具フル装備を朝から着っぱなし、GSのトイレ休憩でも何かと時間をとられ、予定より遅れている。

普段なら焦るところだけど、なぜか今日は落ち着いたものだ。KCBM自体が時間に縛られたイベントではないから、少々遅れたっていいやという気楽さがある。それに今日現地で待ち合わせしているGさんも昨夜はしこたま飲んでいたらしく、ちょっと遅れるかもという連絡が入った。こんな天気だし、急いでもいい事はない。まぁのんびり行こう。


山賊旅路の店先

乙姫のペンション村あたりからやや風が出始め、視界がクリアーになってきた。対向車線は休日の阿蘇らしく混んでいるが、こちら東向きの車線は流れがいい。阿蘇に入ってから30分ほどで一ノ宮をすぎ、R265との交差点を抜けるともう目の前は外輪山のはずれ、滝室坂にさしかかる。

(九州:P40/D-2)

いかにも外輪山越えらしい急峻なつづら折りをエッチラ乗り越え、波野村に入っていく。この村が阿蘇、そして熊本県のはずれにあたり、大分県境はもう間近。道の駅波野で休憩しながら雨具を着なおし、濃い霧と雨粒で曇ったメットのシールドを拭う。


県境の看板

このあたりは高地という事もあるけど、周囲に鬱そうと繁っている針葉樹林が日を遮るのか、阿蘇側よりも気温が低め。路肩の温度計は18度と、春先の今は暖かいが、秋口にここを通ると体のシンからスーッと冷え込み、思わず身震いをしてしまう。

まもなく午前10時というところで、ようやく大分県に入った。ホントはもう着いているはずだったけど、まぁこんなものでしょう。


竹田市〜久住町〜直入町へ

小さな庭

竹田市市街地の2つ目のトンネルをくぐった直後で左折し、R442で久住方面へ。

(九州:P41/B-1)

ここからSPAまでは30キロあまり。以前は狭くて対向車と譲り合っていた道もいつのまにかバイパスが完成しており、スムーズに走れるようになっていた。そして久住町役場の近くの交差点を右に入れば、あとは県道30をまっすぐ走るだけ。ゴールのSPA直入まで残り10数キロ。

(九州:P32/G-6からH-5)

直入への入り口

ゆっくりペースで走るBandit250を、KCBMに参加する目的であろうカワサキ車が勢いよく追い越してゆく。1台2台ではちょっと悔しいが、何台もバカスカ抜かれるうちに、だんだん慣れてくる。

しかし目的地はすぐそこなのに、GPレースでもあるまいし、そんなに飛ばしてどうするつもりだろうか。毎年多くのバイクを受け入れてくれる地元の方の協力なくしてKCBMもありえないはず。パワーやテクを見せびらかすのも結構だが、もう少し地域住民に気を配った走りを披露して欲しいものだ。


小雨のKCBM会場

”バイクで一同に集まり、コーヒーカップを片手に語らいあう”

KCBMの目的は、言ってみればこれだけ。しかし職種や年齢を越えて友人が出来るのは楽しいものだ。だからつい毎年足を運んでしまう。

ステージ上

入り口ゲートではSPAの職員さんが交通整理を一所懸命されている。サーキット内のメイン会場にはカワサキ車しか進入出来ないので、入り口でチェックし、振り分けるのだ。まぁカワサキ車は独特のデザインや色が多いから見分けるのは容易という気がするが、最近スズキと業務提携して、お互いの車種をOEM供給しあっているからヤヤコシイ。とはいえ、はるばるKCBMに来るような”濃い”ユーザーは特徴あるビッグバイクがほとんどで、もしかしたら会場にスズキ車が紛れ込んでいやしないかと見回したが、さすがになかった。

しかし免許制度の影響もあるだろうが、250や400のユーザーが年々減っている気がする。カワサキは国内メーカーの中ではけっこう頑張って中間排気量クラスのラインナップを維持している方だと思うが(Y社などひどいものだ)、小排気量好きな私としても、各メーカーはデカイのばっかり作ってないで、もっとビギナーライダーにも目を向けた商品構成を進めて欲しいと思う。さもないと近い将来オートバイはマニアばかりの狭い趣味世界になってしまうかもしれない。

会場ではGさんと落ち合い、いろいろ話をする。来年もまた来れるだろうか、どんなバイクで来ようか・・。

KCBMでは簡単な受付を済ませると、もれなく記念品のマグカップと小さなステッカーがもらえる。今までは何気なく受け取っていたが、今年は「お乗りのバイク」欄につい正直にBanditと書いたら、みんなとは違う色のマグカップを渡された。カワサキじゃない人には昨年のカップ(つまり在庫処分)が回されるらしい。駐車場以外は分け隔てのないイベントとばかり思っていたのに!

しかも今年のマグのロゴカラーはカワサキのシンボルカラー、ライムグリーンだったのに・・。

「こうなったら来年もBanditで来て、今年の余りをもらってやるぞ!」と、飲み放題の熱いコーヒーをがぶ飲みしつつ心に誓ったのである。

会場の風景

付帯のイベント、景品をかけたジャンケン大会と雑誌取材の集合写真を撮って正午過ぎにはお開き。再開を期すピースサインが場外へ流れてゆく。さて、私もそろそろ帰途につくとしよう。今なら暗くならないうちに帰宅出来る。これも疲れない日帰りのコツのひとつだ。


雲の中

帰路では空港方面にわずかに近い瀬の本〜大観峰経由を選択したが、これが大ハズレ。大観峰を含むミルクロード一帯は往路以上に濃い霧(もはや雲だ)に覆われ、怖くて時速30キロくらいしか出せない。気分直しに展望台へ寄ったが、クルマもほとんどおらず、日曜の午後だというのにしーんと静まりかえっていた。視界は10mもなかったろう。

真っ白で何も見えない

それでも今さら内牧に降りて混雑するR57を通るよりはと、いつもは30分くらいのミルクロードを大津までムリヤリ走破したが、この濃い霧のためクリアーするのに1時間近く要してしまった。

阿蘇は年に10回は行く、なじみの日帰りスポット。今回も特に不安はなかったが、今まで建設中だった新道バイパスが次々に開通しており、じつにスムーズになっていた。高速道路も北と南からジワジワと伸びてきつつあるが、もし川内市とこちらが高速で直結したとしても、私は相変わらず下道でチョロチョロ駆けているような気がする。

だってせっかくの週末ツーリングだもの、いくらか平均速度が遅くても、楽しく走れる方がいいではないか。それにこの距離で高速に乗っちゃ、分岐のコツや道案内もいらないから、ツーレポのネタに困るしね・・。


おしまい

本日の走行
547km
ガソリン
755円(川内中央・6.9L)
1,082円(阿蘇登山口SS・195km/10.2L)
779円(大津SS・157km/7.5L)
食費など
682円
合計
3,298円