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川内川源流への道

※文中の()内の数字記号は昭文社刊ツーリングマップル(2000-2001年度版)のページ/エリア番号です。

2000年8月15日

水源めざして林道を登る

クルソン林道

県道404に入ってしばらくは舗装路が続くが、民家が多いのであまりとばせない。道が大きくくねり出すあたりに「大川筋林道」入り口の大きな看板があり、そこから左折して林道方面へ。

と、いきなり小砂利のフラットダートに変わり、林道ツーリングの雰囲気がグンと高まってくる。


行っては戻る支線探訪

この林道の途中にはキャンプ場が2つほどあるのだが、お盆休みの連休という事もあって、キャンプ場のみならず路肩に点々と大きなRV車が停まっており、せっかくの渓流の景観が台無しだ・・まぁ私もバイクとはいえ、その中の1台ではあるのだが。

ダートに入って5キロほど、宮崎との県境あたりまで来ると、さすがに路肩の車も減ってきた。狗留孫神社をすぎ、林業会社の私有地あたりでだんだん道が細くなり、傾斜も大きく本格的ダートの様相を呈してくる。


眼下に渓流の川内川

道のはるか左下に流れる川内川はもはや渓流となり、清冽なしぶきをあげて流れ下っている。道のあちこちからも湧水がみられ、これらが川内川の水源地帯を形成しているようだ。


勢いよく流れ出る水

この林道は温迫峠まで登っており、そこから人吉市に向かってつづら折りを下ってゆく。私はすくなくともオンロードバイクをここに乗り入れる度胸はないが、人吉方面に抜ける目的だろう、意外や普通の4輪の往来が多い。これらの乗用車、路肩にタイヤを落とさんばかりにしてトコトコ登っていくのだが、オフ車な我々も調子にのってダートランを楽しんでいるといきなり車に目の前を塞がれて驚く事もあるので、カーブ手前では徐行とホーンは欠かさないようにしたい。

数ある沢筋には小さな橋がかかっており、右手の白髪岳山麓から沸きだす清流が下を流れている。何個めかの橋を渡ると、道は傾斜を増し、峠まで一気に標高をあげて迫ってゆく。


源流発見?

峠手前100mあたりで水量のほとんどない湧き水の筋が道の左手に見えるが、どうもこれが林道沿いにたどれる川内川の最長源頭のように思える。先端部は地面から沸き出しているような感じの小さな小さな水たまり。これが山野を駆け下り、巨大な一級河川に発展したのち東シナ海にそそぐ様を想像すると、感動というよりも目眩(めまい)に近いものを感じる。


分水嶺・温迫峠

青空の下

最長源頭をあとに、フラットなダートを一気に駆けのぼれば、てっぺんまではあっというまだ。温迫(ぬくみさこ)峠の眺望はまさしく絶景、汗ばんだジャケットを脱ぎすてると、いっとき涼風が体をかけぬけてゆき、お尻の痛さも忘れて眼下の人吉盆地をただ眺める・・まさに至福の時。

(九州:P64/F-2)

峠部分はT字路になっており、右に抜ければ人吉方面、左は作業用のアヤシイ林道で、分け入ってはみたが、特にどこかへ抜けている様子はなさそうだった。

バイクの横に腰掛け、おにぎりをほお張り、ゆっくり背伸びをする。かれこれ30分ほどの間に、4輪数台とオフロードバイクの集団が2,3駆け抜けていった。

ここはカソリさんも讃えた絶景峠、林道の総延長は30キロほどもあるが、林道は初めてという人にもとっつきやすい印象で、こんな山の中でも、なかなかどうして賑わっているようだ。

さて、そろそろ帰ろうか。このバイクはライトが小さく暗いので、出来れば日が暮れないうちに家につきたい。お尻をはたいてKDX125にまたがると、あたりいちめんに赤トンボの群が舞っている。九州山地が本格的な秋をむかえ、山が色づく頃にまた来よう。


おしまい