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エアポンプに関する記録

目次

GIYO GP-51 2006年7月1日

フレームに取り付けた所

ママチャリフォールディングバイク用に買ったのが、台湾のメーカーGIYO(ジオとかジーヨと読むらしい)の圧力ゲージ付きポンプGP-51。全長30センチ弱でシリンダー部はアルミ製、重さはポンプ単体で実測200グラムでした。ボトルケージ台座に固定出来るホルダーパーツも付いてきます。

圧力ゲージの指針はそれほどいい加減ではなく、目安くらいにはなるようです。ゲージの上限は120PSI(約8気圧)までありますが、ママチャリではその半分も使いません。


英式は押しつけながら入れる

ノズルはパーツ差し替え式の米仏対応でロックレバー固定式。米式ノズルに差し込むタイプの英式アダプターも付いてきますが、付けたままで持ち歩くようには出来ていないので、どこかにしまっておく必要があります。グリップの中にでも小物収納スペースがあるといいのですが。


実際に使ってみて

押し引き式は高圧ではきつい

このポンプは押しても引いても空気が入ってゆくツーウェイタイプ。一見便利そうに思えますが、比較的低圧なママチャリ系はともかく、700Cホイール等のスポーツ車用高圧タイヤでは正直言って使い物になりませんでした。

押す時はともかく、引くのがとても大変。特に空気圧がグンと高まる終盤では、腕の筋肉がつりそうになるのです。


根本が裂けた虫ゴム

携帯用ポンプは、本体のノズルをホイールのバルブに直接差し込んでポンピングを行うため、どうしてもバルブに余計なストレスが加わります。一般的な英式バルブでは、袋ナット(バルブの締め付けネジ)をどんなに固く締めてあっても内部のプランジャー(虫ゴムがささっている金属パーツ。とも呼ばれる)がチューブ側の金属筒との間で微妙に動いてしまうので、頑張って勢いよくポンピングしていると摩擦で虫ゴムが裂け、逆に空気漏れの原因になってしまう事があるのです。

これを避けるためにはハンドルをなるべくゆっくり押し引きしたり、ポンプ本体を保持する時に周辺のスポークやタイヤも一緒ににぎって固定し、バルブに無理な力が加わらないよう工夫する必要があります。

裏技として、ヘッド部分を延長してくれるポンプアダプターを使う手もあります。


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TOPEAK マイクロロケット AL マスターブラスター 2008年11月19日

仏式バルブ用の超小型ポンプ

ESCAPE R3用に、より小型軽量な仏式バルブ専用のポンプを買ってみました。TOPEAK製のマイクロロケット AL マスターブラスターというタイプ。

全長16センチ、太さ2センチ、重さは実測で60グラム強と、これでちゃんと空気が入るのか?と思うほどの小ささです。付属の専用ホルダーでボトルケージ部分に付けると、装着しているのを忘れてしまいそうになります。さらに軽量なカーボン素材仕様もあるようですが、価格が倍ほどもします。


ノズルも精度が高い

アルミ製ボディで精度もきちんと出ているようで、押し引きのスライド感もカチッとしていて好印象。カタログには160PSI(約11気圧)まで注入可能とあります。

ただし、デザインに少し凝りすぎたのか、ボディとグリップが段差なしでピッタリ合わさるようになっているため、押し込んだ時に合わせ目で手や指の皮を挟みやすいという欠点があります。


実際に使ってみて

ESCAPE R3の700×28Cサイズのタイヤで実測しました。ほぼゼロ状態から始めて200回押し込んで2.7気圧(38PSI)まで上昇、さらに200回追加して5.1気圧(72PSI)。実用域の6気圧(85PSI)あたりまで到達するにはさらに100回を要しました。

正直言って炎天下の作業では、この辺が限界でしょう。300回あたりから重さがグンと増し、終盤は10回毎に休憩を入れないと腕が言う事をききませんでした。ポンプが短すぎてホールドしにくく、力を込めにくいのも一因でしょう。これで160PSIまで入れるのは作者の腕力ではまず無理。あくまで緊急用のポンプという感じで、CO2ボンベを突っ込む前の予備充填用とするのが正しい使い方かもしれません。

3回使っただけでささくれが目だつパッキン

マイクロロケットにはノズルのパッキンを圧縮してロックするレバー機構のようなものは一切なく、ゴムパッキンの密着性のみで空気圧を保持するしくみ。差し込む時はスッと入りますが、ポンピングを始めて空気圧がかかると同時にバルブに密着し、かなりの高圧になっても空気漏れは起きません。

この優秀な密着力がちょっと曲者で、ひととおり空気を入れ終わってもガッチリ食いついたままなので、ポンプ本体を軽く叩くなどしないとなかなか抜けません。バルブにはネジ山が切ってあるため、抜く時の摩擦でゴムパッキンがどうしても傷ついてしまいます。この写真は3回ほど使った後のものですが、周囲に軽いささくれが出ているのが見えます。まあ少々削れても問題なく使えていますし、パッキン自体も消耗品として数百円で入手出来ますが、やはりロックレバー式の方が安心感があります。


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TOPEAK ポケットロケット DX マスターブラスター 2010年12月5日

米仏両用の超小型ポンプ

小型軽量すぎて使いにくかったマイクロロケットに代えて、もうちょっとストロークの長いものにしてみました。同じTOPEAK製のポケットロケット DX マスターブラスターというタイプ。

シリンダー外径はわずかに細身ですが、全長はやや長い23センチ、ストローク比で1.5倍に伸びました。グリップ部分のみ太くなっていて、マイクロロケットよりも力が入れやすいです。重さは実測で100グラムちょうどでした。


交換式ノズル

ノズル内部のパーツ差し替えで米仏の両方に使え、英式アダプターを用意すればママチャリ系でも使用可能。付属のホルダーはマイクロロケットと共通品なので、それぞれに付けておけばポンプひとつで使い回しが出来ます。


実際に使ってみて

ESCAPE R3の700×28Cサイズのタイヤで、ほぼゼロ状態から始めて200回押し込んで3.6気圧(51PSI)、さらに200回追加して実用領域の6.4気圧(92PSI)まで疲労感なく余裕で持って行けました。前のマイクロよりは明らかに楽ちんで、注入速度も体感的に2倍近い印象。太めのグリップのおかげで指をはさむ心配もなく、空気圧が高くなってからの終盤の押し込みも(マイクロよりは)楽です。

200回+200回と言うと何だか大変そうに感じますが、実際には最初の100回を押し込むのにかかった時間は1分程度で、全400回ぶんでも5,6分といったところ。圧が高まる終盤になっても押し込みやすいのが細いポンプの利点のようです。

ロックレバー式は空気圧が高まってもバルブが浮き上がる事がありません。さらに先端部分が丸くなっているのでスポーク間が狭いホイールでも指を回しやすく、押し込む時に保持しやすいのがいいです。ただし終盤はポンプ本体、特に先端部分がかなり熱を持ちますので注意です。

カタログ値では最大160PSI(約11気圧)ですが、前のマイクロロケットの経験からしても、これは単にポンプ本体の物理的な強度限界を示しているだけで、現実的な数字ではないように思います。

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TOPEAK マウンテン マスターブラスター 2011年6月16日

ポケットやマイクロと較べるとかなり大柄

これまで買ってきたのよりも太いボディではどうだろう?と思い、TOPEAK製のマウンテン マスターブラスターを購入してみました。

全長約30センチと携帯ポンプにしては大ぶりで、太さはシートポストとほぼ同じ2.6センチもあり、ポケロケの約1.5倍。さすがMTB用と銘打つだけあって、いかにも一度でたくさんの空気が入りそうです。

見た目の割には持ってみると意外に軽く、実測で120グラムと、ポケロケと20グラムしか違いません。


折れ曲がってT字になるグリップ部分

グリップ部分が90度起きてT字ハンドルになるので、力も込めやすそう。

ストロークはポケロケと同じ15センチながら太い分だけ注入量は多め。ポンピング時のガタもほどほどで、機械的な精度はあまり変わらない感じです。カタログ限界値は120PSI(約8気圧)とちょっと控えめ。


交換式ノズル

ノズルはパーツ差し替え式の米仏対応でロックレバー固定式。レバーはポケロケより若干長く、必要な力も少なくて済みます。ただロックレバーの基部にあたるヘッドは樹脂製で、オール金属製のポケロケよりも耐久性は落ちるかもしれません。

フレームのボトルケージ穴へ取り付けるホルダーパーツは太めの専用タイプなのでポケロケやマイクロとは共用出来ません。しかしこのホルダー、少々薄手に出来ていて脱着時にフニャフニャ動きます。まあ走行中は大きな力はかからないでしょうから、気にしない事にします。


実際に使ってみて

ESCAPE R3の700×28Cサイズのタイヤで、ほぼゼロ状態から始めて100回押し込んだところで4.6気圧(65PSI)、さらに50回追加して6.5気圧(92PSI)まで行きました。所要時間は途中で2回ほど休憩をはさんで約7,8分。ポンピングの回数こそポケロケの半分以下ですが、最後の30〜40回くらいはかなり重たくなるので時間的にはさほど変わらず、むしろポケロケの方が終盤もスムーズで体感的にずっと速く感じます。

やはりパスカルの原理のとおり、高圧領域ではピストン径が小さいポンプの方が向いているようです。

というわけで、このポンプは高圧タイヤ向けとしては失敗でした。

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フレームポンプ

長いフレームポンプ

常用しているわけではありませんが、友人のKさんにいただいたSKS製のRennstarという昔ながらのフレームポンプ(フレーム本体にはめ込んで固定するポンプ)を紹介してみます。

かつて携帯用エアポンプと言えばみんなこのタイプで、ボディは軽量な樹脂製や軽合金製が多く、シリカやプリマスあたりのブランドがメジャーどころ。それらにカンパニョーロのツノ付き金属製ヘッドを組み合わせるのが定番でした。細くて長いシリンダーは注入効率がよく、樹脂製ながら200回足らずで7気圧近くまで持っていけます。人間工学的にもこれくらいのサイズの方がポンプ作業に適しているように感じますね。自宅にフロアポンプを持たず、これだけで空気圧管理をやっている人も多かったです。

これを当時はみんなシートチューブに沿ってはめ込んでいました。昔のロード系フレームにはESCAPE R3のようなスローピングフレームはほとんどなく、ボトル台座もたいていダウンチューブ1カ所にしか設けられていなかったからで、トップチューブに付けるのは1980年代後半のトライアスロンブームの影響でダブルボトル仕様が流行るようになってからでしょう。

仏式バルブにしか対応していなかったり、大きくてかさばる、担ぐのに邪魔になる、路面からのショックで外れる事が多い、等の欠点もありましたが、昭和時代の自転車乗りにとっては懐かしいツールです。


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英式バルブアダプター

自転車専門店に置いてあるスポーツサイクル用の携帯ポンプはどれもカッコよくて性能もいいのですが、海外メーカーの製品が多いせいか、日本国内で一番普及している英式バルブに対応していないモデルがほとんどで、ママチャリ等、日常生活で使うにはちょっと困ります。そこで別途アダプターを追加して対応させておきます。

兼用口金先

兼用口金の差し込みノズル

ホムセンの自転車コーナーにぶら下がっている兼用口金先というパーツを買ってきてポンプの米式ノズルにはめ込めば、英式バルブ注入用として使えるようになります。価格もせいぜい100円ちょっと。

ただしそのままだとお尻の出っ張りがノズル内部のプラパーツと干渉して奥まで差し込めないので、金ノコか何かで切り落としておく必要があります。

ちなみにこれを作っておくと、普通は出来ない英式バルブの空気圧測定にも応用出来ます。


2015年7月30日追記 最近のスーパーバルブ、特にSCHWALBEなど海外製品ではバルブ注入口の内径がやや大きいものがあり、この方式のアダプターでは隙間が出来てしまい、うまく使えない場合があります。

英式バルブクリップ

パナレーサーの英式バルブクリップ

パナレーサー製の英式バルブクリップBFP-EA2。本来はフロア式ポンプとセットになっている付属品ですが補修部品として購入できます。

先端部分が狭い隙間に入れられるので、小径車や子供用自転車のホイールにも対応可能。


パナレーサーの旧型英式バルブクリップ

旧型のBFP-EAは挿入部分が樹脂製で、ねじ込み式ノズルを持つポンプには使えませんでした。


仏式→米式バルブアダプター

仏式→米式バルブアダプター

本来は仏式バルブの先端にねじ込み、米式に変換するためのアダプターですが、実は仏式バルブと英式バルブの先端のネジ山は同じ規格なので、英式→米式アダプターとしても使えます。

両者をお持ちの人は、それぞれのバルブキャップを入れ替えてみて下さい。難なくはまるはずです。

ただし正規の使い方ではないので、その辺は自己責任で・・。


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ポンプアダプター

実際に道端でパンク修理をやる機会はそう頻繁にはないですが、小さな携帯用ポンプだけで6〜7気圧もの空気を入れるのは、体力自慢のレーサー野郎でも決してたやすい仕事ではないでしょう。

近頃は小型のCO2ボンベ・インフレーターもありますが、一度封を切ってしまうとやり直しが効かないのが欠点で、タイヤのセンターがずれてしまったり、パンク穴の見落としがあった場合に困ります。手間はかかるけど、やはり手押しポンプの方が安心感がある・・と作者は感じています。

ポンプアダプター

ポンプアダプターはノズルを延長するホース。シンプルなパーツですが、これを使えばポンプ本体のノズルをバルブに直接はめ込まなくていいので、ポンピング時の前後動でバルブを痛める事がありません。


ポンプを地面に垂直に立てて押せる

さらに地面やコンクリ壁などを利用してハンドルに体重をかけて押し込めるので、腕だけで押すよりもずっと注入しやすくなります。

地味な道具ですが、一度お世話になったらもう手放せなくなりますね。


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