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サイクルコンピュータに関する記録

目次

キャットアイ CC-MT400 マイティ8 2007年11月3日

スポーツ用の自転車には付いていて当たり前のサイクルコンピュータ(サイコン)。でも作者は誰かと競走する気なんかないし、ツーリング中の速度や距離を知りたければハンディGPSがすでにあるから、そんなの別に買わなくてもいいやと思っていたのですが・・友人のGSさんから中古のサイコンをもらったのをきっかけに、試してみる事にしました。

GPSより小型軽量で電池もはるかに長持ちするし、トンネル内や深い木立の下でも計測が止まる事がないのがいいですね。それに加えて自転車にメーターを取り付けるという行為に、何とも言えない面白さを感じるのに気付きました。子供の頃、自分の自転車に回転ワイヤー式の針式メーターを付けてもらい、まるでオートバイに乗っているような気分になったり、走った分だけ距離計のドラムに数字が刻まれるのを楽しみにしていたのを思い出し、ちょっとワクワクしてしまうのです。

ところで、この友人からの頂き物のサイコン(キャットアイ CC-CL200)はホイールの回転パルスを電波でメーター本体に送るワイヤレス式で、取説には「本体とセンサーの距離が45センチ以内に収まるよう設置せよ」とありました。しかしハンドルの低いスポーツ車ならともかく、シボレーFDB206のハンドルバーは地上高1メートルもあり、おまけにホイールも20インチと小径なため、センサーとサイコン本体の距離はどう頑張っても70センチを越えてしまいます。それでもギリギリ電波は届いてくれるようで、しばらくの間は動きましたが、日が経って電池が消耗すると電波が弱まり測定不能になってしまいます。その都度電池を替えたり、設置場所もいろいろ工夫してみましたが、結局うまく動作させる事は出来ませんでした。

サイクルコンピュータ

そういったわけで、電波ではなく有線式で回転パルスを伝達するタイプのサイコンを新しく買う事にしました。同じキャットアイ製のCC-MT400 マイティ(MITY) 8という機種です。

機能はごく標準的なもので、リアルタイムの速度と時計表示の他、走行時間、平均速度、トリップメーター×2、オドメーター、最高速度が記録されます。データの基準となるホイール周長の設定はセンチ単位で、乗り換えやホイール交換に備えて2種類の値がメモリー可能。

このクラスでは珍しくオドメーターの初期数値を自由に書き換えられるのが便利です。


センサーからの配線

ブレーキアウターに沿わせるにはコードの長さが足りなかったので、ステム本体にまっすぐ沿わせてタイラップで固定してみました。収納時に折れ曲がるヒンジ部分には余裕を持たせてあります。


センサー位置はブレーキ周辺に

センサーは振動でズレ落ちないよう、Vブレーキの根元をはさむようにしてタイラップで固定。


2016年6月1日追記 2016年現在、マイティ系のサイコンはすべて販売を終えています。

2016年11月1日追記 当時のワイヤレス式サイコンはアナログ信号を使っていたため、他車と混信しないようセンサーとの距離をあまり長くとれませんでしたが、最近のサイコンは混信のないデジタル信号を用いており、到達距離も5〜30メートルと長くなったので、センサーの設置場所の問題はほぼなくなりました。

電池交換

2010年3月25日 液晶表示が消えてしまったので電池交換。マニュアルでは3年持つはずですが、この手の電子機器のセオリー通り早めの交換となりました。この間の走行距離は千キロ少々。

2013年4月23日 走行中の液晶表示はまだちゃんと出ていましたが、ボタンを押すたびにフッ、フッと表示が著しく薄くなる現象が発生するようになり、電池の消耗と判断し交換。今回はカタログ通り3年持ちました。電圧を測ってみたら古いのが2.89V、新品が3.25Vでした。この間の走行距離はシボレーFDB206ESCAPE R3の2台共用で6千キロほど。

ロングケーブル仕様センサーブラケット 2008年2月29日

ブレーキアウターに沿わせる

キャットアイの別売りオプションで、標準よりも長いロングコードセンサーブラケット(部品番号#169-9305)を組み込んでみました。これは本来後輪で速度検知を行うための延長キットですが、ハンドル高のあるシボレーでもこれなら余裕で取り回せるだろう、と考えたのです。

しかし今度は逆に長すぎてコードが余ってしまいました。ケーブルをフロントブレーキのアウターにグルグル巻き、さらにセンサーの位置をホイール中心近くまで下げてもまだ余るほど。結局アウターへの巻き付け回数をうんと増やしてごまかしました。


長さに差を付けてカット

長さを延長したいだけなら、似たような平行コードを買ってきてつなぐだけでもOKです。センサーなどと横文字の名前が付いているので、素人が気安くちょん切っても大丈夫?みたいに思いがちですが、実は磁力によってオンオフを繰り返すだけの機械的スイッチに過ぎません。

適当な長さの平行コードを用意し、互いの長さを合わせて切りそろえ、被覆をむいて芯線をつなぎ、ハンダで固定したのちビニールテープや収縮チューブで保護します。


被覆が溶けてショートした例

細いコードを接続する時は、断線と同様にショートもよくあるトラブル。この写真は収縮チューブを縮めようとしてライターをあぶりすぎ、コードの被覆が溶けて中の芯線が顔を出し、接続点とショートしてしまった例です。細い平行コードはタイラップで強く締めすぎただけでも隣り合った線がショートしてしまう場合があります。


センター取り付け仕様センサーブラケット 2011年8月9日

ブラケットの高さが足りない

サイコンやライト等の装備品が増えてくると、ハンドルバーの上が立て込んでスペースの余裕がなくなってきます。そこでマイティ8のオプションブラケットにある、サイコンの位置をステム中央にオフセット出来るセンター取り付け用キット(部品番号#169-9302)を買ってみました。

しかしこれを買ったのは失敗でしたESCAPE R3純正のステムでは高さが足りずに干渉したからです(持ち上がりは約7ミリ、ステムの出っ張りは12ミリ)。この状態ではバーを占有するスペースもノーマルブラケットと大して変わりません。


端子の浸水に注意

サビが発生した端子

サイコン本体とブラケットとのすき間には思いのほか水気が入り込むようで、放置しておくと端子の接触不良が起きやすくなります。ちょっとした小雨や霧の中を走った後にはブラケットから本体を外し、端子をきれいに掃除しておく必要があると思います。


ブラケットとのすき間に水が入り込む

付けたままで放っておくと、写真のように青サビが出て電気信号が流れなくなり、計測がストップしてしまいます。

有線式は無線よりも悪条件に強いというイメージがありますが、意外とこの手の単純な接触不良が多く、ハッと気がつくと何キロも動いていなかった、なんて事がままあります・・。


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キャットアイ CC-RD100 ストラーダ 2008年6月11日

ステム中央に取り付けた黒いサイクルコンピュータ

クロスバイクのESCAPE R3用にと買った小型のサイコン。キャットアイのCC-RD100 ストラーダ(STRADA)というタイプで、前に買ったマイティ8の半分くらいの容積しかありません。センサーは同じ有線式で、機能的にもほぼ同じ。ホイール周長の設定はより細かくミリ単位になっています。

コンパクトサイズながら液晶の表示は大きくて見やすく、取り付け時もドライバー等の工具はほとんど必要なし。オプションなしで縦にも横にも取り付け可能で、走行中の操作は全てワンボタンでOKと、とてもよく出来たサイコンだと思います。


裏面のフタを開けて電池を出し入れ

欠点としては、電池交換で裏面のフタを開ける時に極小サイズの黒いプラスネジを4本外す必要があり、しかもかなり固く締まっているので、きちんとした精密ドライバーを使わないと潰してしまう可能性があります。それと使用するCR1620電池も田舎の百均やコンビニ等には置いていない事が多く、ちょっと困ります。

日々の記録をとっていて少し違和感を感じるのが、先代のマイティ8とデータの表示順が異なる点です。マイティ8ではボタンを押す度に走行時間→平均速度→トリップメーター1(または2)→オドメーター→最高速度という順だったのが、ストラーダでは走行時間→トリップメーター1→トリップメーター2→平均速度→最高速度→オドメーター→時計となっていて、走行中に切り替えたり、日課でメモ帳に数値を書き写す時などに一瞬ひっかかります。そんなの単位を見ればわかるじゃないかと言われればそれまでですが、やっぱりこういう基本的な操作手順は機種が変わっても同じ順番であるべきだと思います。


2016年6月1日追記 ストラーダはすでに販売を終えており、店舗在庫分しか入手出来ません。キャットアイのラインナップで有線式のサイコンはCC-VL820 ベロ 9、そしてオドメーター値のマニュアル入力が可能なモデルでは唯一CC-RD200 ストラーダ ケイデンスが残るのみです。

電池交換

2009年4月11日 買って1年もたたないのに液晶表示がすごく薄くなり、押しても反応しなくなったので電池交換。カタログには1日1時間の使用で3年持つとありましたが、購入時に入っているのは言わばサンプル電池なので、まあこんなものでしょう。ちなみに交換時の実測電圧は新品が3.1V、古い方は1.9Vでした。

2011年3月9日 2回目の電池交換。前回の交換から約2年経ちました。この間走ったのは2千キロほど。

おかしな数値が時々出る 2011年4月10日

最近は健康のために一定距離の自転車走を日課にしていて、サイクルコンピュータのほか、GPS携帯のアプリケーションも併用して日々の走行記録をつけるようにしています。その際サイコン(ストラーダ)と携帯アプリとで、時々走行距離が大きくズレる日があるのに気付きました。

ホイール一回転毎にコツコツと積算してゆくサイコンと異なり、GPS携帯は一定時間毎の位置測定を元に移動した距離を計算で求めるしくみなので、点から点までを移動する間に交差点を曲がったりすると、その中間部分がスパッと短くカットされるため、サイコンに較べて若干短く出る傾向がありますが、それでもGPS携帯でトリップ20キロと出ている時にサイコンが25キロ以上を示しているなど、単なる誤差とは思えない時があるのです。さらにサンダル履きで近所をうろついただけなのに最高速度が50km/hとか、身に覚えのないデータが記録されている事も度々でした。

データ異常は毎回発生するわけではなかったですが、気になったので朝方の河川敷を何度も行ったり来たりしながら、刻々変わる速度表示やデータをチェックしてみた結果、やはり本来予想される速度の二倍、三倍といった異常な値を示す時がありました。それも瞬間的にではなく一旦おかしくなり出すと30秒から1分間以上もなりっぱなし。その間は速度に比例してトリップの積算も急激に増えてゆくのです。

まずセンサーの接触不良を疑い、ホイール用マグネットの位置を変えたり、走行中に台座から抜き差ししてもまったく変化なし。直接端子を接触させて疑似パルスを送っても同じように数値が高まる時があるので、付属センサーの不良ではないようでした(※注1)。さらに本体の電池を替えたりリセットを繰り返しても改善は見られませんでした。

お店で訊ねたりネットで関連情報を検索してみても、断線などでホイール回転を検知しなくなる事例は時々見られるものの、逆に数値が高くなるという報告はないようでした。少ない事例の中で携帯電話などが発する高周波電波によって異常が発生するという話があったので、懐の携帯の電源を切ったり入れたり、あれこれやってみましたが、状況は変わりません。

そんなこんなで、もはや原因はサイクルコンピュータ本体の故障としか思えなくなりました。この異常に気付いたのは今年になってから携帯と併用して走行距離を毎日きちんと記録するようになってからですが、ひょっとしたら以前からちょこちょこ出ていたのかもしれません。

というわけで、メーターとしてアテにならなくなったストラーダは取り外し、FDB206に付けていたマイティ8と共用する事にしました。ホイール周長メモリーが2つ分あるのがここで役立ちました。

※注1 2013年5月8日追記 上記にて「付属センサーの不良ではないようだ」と書きましたが、その後もいろいろで調べてみたところ、センサーのチャタリング(1回のマグネット通過で複数回スイッチングしてしまう事)によって積算数値が大きくなった例がありました。思い返せば作者のやったテストで、センサーの代わりにピンセットの先端を使って接点を手動開閉する方法を試した際、きちんとスイッチ出来ていたかどうか、ちょっと怪しい気もしています・・。と言ってもすでに当該のサイコン本体は手元になく、保管していたセンサーも壊してしまったので再現テストは出来ませんが、センサー不良の可能性も少なからずあったと思われる事を、ここに別記しておきます。

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キャットアイ CC-MT200 マイティ2 2011年10月27日

古いサイコンのセット

友人から譲ってもらったキャットアイ製の旧型サイコン、CC-MT200 マイティ(MITY) 2です。

機能的には後継機のマイティ8とほぼ同じで、違いはトリップメーター及びホイール周長メモリが1つだけという点。電池はやや小ぶりのCR1616またはCR1620が1枚です。

隣あって並んでいる2つの操作ボタンがほんの一瞬でも同時に押されると、オドメーター以外の走行データが全部クリアされる仕様になっていて、走行中の操作には少しばかり注意が必要です。あとオドメーターの値がマニュアルで入力出来ず、電池交換する度にゼロに戻ってしまうので、走行距離の管理が少々面倒です。


コネクト部分は両者ともほぼ同じ形状

マイティ2とマイティ8ではメーター本体をはめ込むブラケットの形状や端子位置が異なるので直接互換性はありませんが、ブラケット中央にあるツメを押し込んでバンドとブラケットを分離させれば、バンド部分のみの入れ替えが効きます。


マイティ2が発売されたのは1995年、マイティ8は2002年、ストラーダは2006年。この3つはすべてブラケットの形状が変わっていて直接互換性がありません。でもサイコンとの接続端子はすべて2点のピン接触式で、コードをハンダ付けすればセンサーも交換が効くのです。何かよほどの理由がない限り、こういったマウントの規格は変更して欲しくないものですね。自転車用品メーカーさん、ニコンやペンタックスを見習って下さい!

電池交換

2012年9月19日 液晶が表示されなくなったので新しい電池と交換。電圧は1.8Vまで低下していました(新品は3.2Vほど)。この約一年間の走行距離は120キロ。このサイコンは新しい電池に入れ替えた後、左右ボタンと中央のリセットスイッチを同時に押して再起動してやらないと表示が何も出ません。

サイクルコンピュータのセンサーを分解 2011年10月27日

つまようじ程のガラス管内に電極がある

マイティ2に付属のセンサーをバラしてみました。樹脂製の円筒の内部に、爪楊枝よりも少し細めのガラス管が仕込まれており、その中には先端が微妙に重なるよう配置された極細の電極が見えます。


磁石が近づくと接触して導通

通常は二つの電極の先端がごくわずかに離れており、導通はない状態(オフ)。

磁石が近づくと磁力線の作用で電極の端がN極とS極に磁化され、くっついて導通(オン)するしくみです。一般に磁気型近接センサーとかリードスイッチなどと呼ばれ、産業機械や生活用品にも広く使われているシンプルで信頼性の高い部品です。


分解出来ないストラーダのセンサー

ちなみにストラーダ付属の小判型センサーはリードスイッチが樹脂で埋め込んであって、きれいに分解出来ませんでした。


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キャットアイ CC-RD100 ストラーダ(2代目) 2013年4月23日

2台目のストラーダ

しばらくの間マイティ8を代用品として使っていましたが、ストラーダのコンパクトで見やすい液晶表示、簡便な操作性が愛おしくなり、同じ物を中古で購入。今やCC-RD100は生産完了しており、新品は店頭在庫の分しか入手出来ないようです。


マイティ8用センサーを接続して流用

この中古品、なぜかセンサーコードが途中で切られていたので、マイティ8用の棒型センサーを継ぎ足して流用しました。

新品の電池を入れ、現行のマイティ8と並べて30キロほど走って動作チェックし、誤差なく完全動作するのを確認しました。やっぱりこのタイプはいいですね、液晶表示のコントラストがはっきりしていて数字が読みやすいし、マイティ8と較べて速度変化に対する反応も速いように感じます。

あとマイティ8は夏場の日なたに10分も停めておくと液晶画面が焼けてまっ黒くなっていましたが、ストラーダは熱にも強い印象です。


2013年8月16日追記 購入後4ヶ月、1,100キロほど走りましたが、誤動作は見られませんでした。

2016年6月30日追記 購入後3年2ヶ月、4,200キロほど走りましたが、目立った誤動作は見られませんでした。

液晶画面の擦り傷をごまかす 2013年10月6日

液晶画面が傷付いて白く見える

サイクルコンピュータの液晶画面には透明な樹脂が使われているため、雨の日に水滴を指でぬぐったり、取り外して持ち歩いている時にポケットの中でぶつかりあうなどして、いつのまにか細かな傷が入ってしまうものです。まあ多少傷付いたところで文字が読めなくなったりはしませんけど、乗っている間は嫌でも目につく部分ですし、やっぱり気になるものです・・。


百円ショップで売っている透明テープ

そこで傷をどうにかして目立たなくしようと小細工を弄してみました。こういう場合の定石としてはセロテープ的なものを上から貼れば、テープの糊が傷を埋めて平らになり、また元のように透明になるものです。これはすりガラスのザラザラした面にセロテープを貼ると、そこだけ向こう側が透けて見えるようになるのと同じ理屈です。

家にある普通のセロテープだとちょっと幅が足りないので、24ミリ幅の透明テープを百均で買ってきて、傷ついた画面に貼ってみました。このサイズでも気泡を出す事なくピッタリときれいに貼るのは意外とむつかしく、貼っては剥がしを何度も繰り返し、成功するまで都合1メートルくらいテープを無駄にしてしまいました。


ほとんど目立たなくなった

しかし苦労の甲斐あって結果はご覧の通り、擦り傷はほとんど見えなくなりました。出来れば新品のうちにこのようなテープか、あるいはスマホ・デジカメ用の液晶保護フィルムを小さく切って貼っておけば、無用な傷付きを防げる事でしょう。


センサーをリア側に移動 2016年6月30日

シートステーに取り付けられたセンサー

リアホイール周りにスマホ計測用のワイヤレスセンサーを取り付けたのを機に、ストラーダのセンサーもリア側に移動しました。

自転車はカーブを曲がる時の内輪差やタイヤの荷重(つぶれ具合)の違いなどにより、フロントとリアのホイール回転数にわずかな差が生じます。測定機器が複数ある場合、センサーを同じ側に設置しておけば、走行距離などのデータを記録する時にどっちを採用するか迷わずに済みますし、センサー類の誤差チェックやトラブルが起きた時の解決の手助けにもなるでしょう。

平行コードを30センチほど追加して延長、トップチューブの下を渡して左側シートステーのVブレーキ台座直下にセット。ホイール用マグネットはワイヤレスセンサーと共用にしました。


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キャットアイ CC-PA500B パドローネ スマート 2016年10月25日

最近流行のスマートフォンを使った自転車走行ログアプリ、そして各種ワイヤレスセンサーを駆使すれば、走行経路マップや高低差に伴なう心拍数の変化など、これまでのサイコン単体とは比較にならない豊富な情報が手軽に得られ、さらにインターネットでつながる事によってユーザー間での走行データ共有、コースタイムの競い合いや、友達が今どこを走っているかを追跡したり、果ては声援の送信(!)までも可能な時代となりました。すごいですね〜。

作者も遅ればせながらスマホアプリを使ったスポーツ走行にハマっており、ワイヤレスセンサー等、色々と揃え始めた所です。

セット同梱品

スマホアプリ「Cateye Cycling」のモニター用、及び通算8年以上使ってきたストラーダの後継機として、キャットアイのスマートコンピュータ、パドローネ スマートを導入。


ストラーダよりも大きなパドローネ

これまで愛用してきた有線式ストラーダよりもかなり大きく、液晶画面が広いです。メインのスピード表示用セグメントのサイズはあまり変わっていない一方、メール通知やサブデータの表示枠に重きが置かれています。

このサイズで厚みはストラーダとあまり変わらず、クリック操作もストラーダで慣れ親しんだ感触に近いです。

これとほぼ同機能ながら実売で1〜2千円ほど安い小型版、ストラーダスマートというのも出ていますが、複数の数値を走行中に見るには画面が小さすぎると思ったのと、発売がパドローネ スマートよりも7ヶ月早かった事による内蔵ソフトの洗練度の差や、SMS通知機能が実装されていない点も気になったので、結局選びませんでした。

より高機能なパドローネ スマートプラスというのもありますが、メーカーの大人の事情?によりネット通販経由では手に入らず、アマゾンや楽天等で検索してもほぼ出ません(2017年7月22日現在)。よって実店舗で買うしかなく、割引がほとんど期待出来ない地方の自転車ショップで税込定価1万7千円超となると、さすがにハードルが高いです・・。


バッテリーの絶縁シート

電源は入手の容易なCR2032電池が1枚。先代の有線式ストラーダで使っていたCR16系のボタン電池は田舎の店には置いてない事も多かったですから、うれしいポイント。取説によれば1日1時間の使用で約4ヶ月持つとあります。

絶縁シートがちゃんと付いているあたり、日本のメーカーの真面目さを感じますね。これのおかげでか、付属電池の電圧は3.28Vとほぼ新品同様の電圧を維持していました。

電池室の蓋はコインで回すポピュラーな回転式。蓋の周囲に太い茶色のOリングが仕込んであって防水性は高そうですが、取説には防水ランクの表記はありませんでした。


アウトフロントブラケット

これまでフレームやワイヤーアウターに巻きついていた平行コードが無線化によって一掃され、見た目もすっきりとしました。

車体への取り付けには同梱のバンド式ブラケットは使わず、ステム前方にサイコンを置けるOF-100 アウトフロントブラケットという別売りの純正オプションを試してみました。ハンドルバーやステムの上に取り付けるよりも視線移動が少なく、立ち漕ぎ中でも数字が読みやすくなるとされています。この位置にサイコンやLEDライト、アクションカメラ等をセットするのが近年のトレンドでもあるようです。

ただこのブラケット、差し込みがやたらと固く、奥までガチっと押し込むにはちょっとした気合いが要ります。接続部を裏から支えつつ両手でやらないと樹脂製のアームが折れてしまいそう。そのせいか、中途半端に差し込んだ状態で走って脱落させてしまい、不良品じゃないのかとレビューで文句を書いている(と思われる)人も散見されます。とりあえず正しくセットすればどんなデコボコ道でも脱落する気は全くしないので、1万近くする高価なサイコンにはありがたい事ではあります。


センサーやスマホとの連携

パドローネ スマートには2つの動作モードがあり、スマホとワイヤレスセンサーが繋がっている状態を外部からモニターするミラーモードと、スマホは使わずにワイヤレスセンサーから直接データを受け取る、つまり一般的なワイヤレス式サイコンと同じセンサーダイレクトモードがあります。

完成

作者はパドローネ スマートを買う2週間ほど前から、iPhone6sにキャットアイ純正アプリ「Cateye Cycling」をインストールし、スピード&ケイデンスセンサーにはTOPEAK PanoBikeを、心拍センサーにはKaradafit Heart HRM-10という別々のメーカーのセンサーを組み合わせて実際に何度か走行し、ペアリングなど各種動作を確認済みだった事もあって、ミラーモードへの移行はオンラインマニュアルに従った簡単な操作だけで済みました。


乳首の下あたりに装着

問題はセンサーダイレクトモードの方で、心拍センサーのKaradafit Heart HRM-10がどうしてもうまく接続されません。しかも、ちゃんと動いていたスピード&ケイデンスセンサー TOPEAK PanoBikeの接続までも不安定となり、走行中にデータが途切れてばかりで、ほぼ使い物になりませんでした。

各機器との接続には無線通信規格のBluetooth SMARTが用いられ、このマークがついていれば基本的にどのメーカーとでも繋がる事になっているのですが、細かい動作保証まではされません。

結局、センサーダイレクトモードではスピード&ケイデンスセンサーのみペアリングし、心拍センサーは使わないよう設定しました。もっとも、スマホで記録を取らない日常的な街乗りではいちいち心拍センサーなんか付けませんから、スピード&ケイデンスだけあれば実用上問題はないでしょう。

接続可能なもう一つの機器であるパワーメーターに関しては、ひところに比べて価格がだいぶ下がってきたとは言え、作者にとってはまだまだ高価な代物で、導入は今の所考えていません(関心はありますが・・)。


キャットアイのセンサー

2021年10月25日追記 スピード&ケイデンスセンサーをCATEYE純正のISC-12に付け替えましたが、上記の接続トラブルは解決しませんでした。よって原因はKaradafitの心拍センサー側にありそうです。


実際に使ってみて

スピードと心拍数とケイデンスを同時に表示

先代の有線式ストラーダと比較すると、動作はややもっさりとした印象。例えば信号待ちで停まった時、スピード表示がゼロになるのが一呼吸遅く感じます。クリックしてから表示が切り替わるのも明らかに遅いですね。ミラーモードで素早く連打すると長押しと勘違いするのか、意図せずポーズ(計測一時停止)がかかる事も。しかしながら無線式で一番気になっていた測定誤差も今の所目立たず、安定して使えています。

走行中に心拍数とケイデンスが確認出来るので、ペースの維持やギア選択が容易になり、なかなかに痛快。かつてオートバイのBandit250にヨシムラのデジタル水温計を取り付け、エンジン回転数や路面勾配の影響で冷却水温度が刻々と変わる様に目を丸くした時と似た感覚です。

標高(ALT)はGPSのコンディションによって差が大きいので、絶対値としてはあまり当てにならない印象。前後の数値変化で高低差の目安になる程度でしょうか。

スマホ本体をハンドルに取り付けても同様の事は可能ですが、近年一層大型化かつ高価になったスマホを、路面からの振動がモロに加わるハンドル周辺に長時間固定するのは不安ですし、画面を常時表示させるとバッテリー消費も激しいですから、頻繁に走る人や長距離走をする人には有効なアイテムだと思います。ワークアウトの計測開始や一時停止、終了もサイコン側で操作出来るので、その都度スマホをバッグから引っ張り出さずに済みます。

あと、スマホとリンクするとサイコン側の時計も自動で合わせてくれるのは便利だなと思いました。これまでのサイコンの時計は月に何分というレベルでずれるので、あまり当てにならない事が多かったですから。

ちなみにミラーモードで走った時のiPhone6sのバッテリー消費は、30キロのコースを1時間半かけて走った時100%から95%に、100キロ5時間ちょっとで走った時は100%69%になりました。


夜間の見え方

ところで、アウトフロントブラケットを選んだ理由がもうひとつあります。ハンドルバーよりも前方に取り付ければ、すぐ近くにあるLEDヘッドライトから漏れる光で画面が照らされ、夜間でも数字が読めるようになるのでは?と期待したのです。

結果は写真のとおり。使ったLEDライトはキャットアイのVOLT200です。昼間と同じようにバッチリ見える・・とまでは行きませんでしたが、暗さに慣れた目ならどうにか読める程度にはなりました。夜間のスポーツ走行は危ないのでなるべくやりたくないですが、今の季節、トレーニングからの帰宅が遅れて日が落ちてしまう事も多いので助かります。

今後の課題はセンサーダイレクトモードにおける心拍センサーですが、おそらくキャットアイ純正の心拍センサーを用意すればうまく行くのでは?と(漠然と)考えています。いずれはスピード&ケイデンスセンサーも純正と入れ替えたい所ですが、どちらもそう安くはないですし、すぐに必要と言う訳でもないので、趣味用のお小遣いが貯まるまでは現状の社外メーカー寄せ集めセットで運用しようと思っています。


2017年7月22日追記 使用中、停止してもメーター表示がすぐゼロにならず、タイムラグが10〜20秒と極端に大きくなる事が時々あります。途中でSNSやカメラアプリを操作した後に発生する場合が多いように感じます。あれこれ試した結果、スマホ側でBluetooth接続をいったん切って再接続すれば、だいたい復帰してくれます。

電池交換

2017年1月26日 スリープ時は画面に小さくkm/hの単位表示が出ているのが常ですが、朝方乗ろうとしたら何も出ておらず、センサーを動かしてもクリックしても無反応。電池を抜いて電圧を測ってみたら2.22Vしかなく、どうやら電池寿命のようでした。カタログ値よりもやや早めですが、出荷時のサンプル電池および実使用条件下ではこんなものでしょう。

ちなみにパドローネ スマートは電池を抜いてもオドメーターのキロ数やセンサーペアリング設定は消えません。時計は1:00にリセットされますが、スマホとペアリングすれば自動で現時刻に合わせてくれます。

2017年3月3日 画面左上の隅でバッテリーサインが点滅。実測電圧2.70V。動作そのものは直前まで特に問題ありませんでしたが、指示に従い交換。1ヶ月少々とかなり早い交換となりました。ダイソーの2個100円のCR電池には時折ハズレが混じっているので、そのせいかもしれません。

2017年7月20日 バッテリーサインが点滅。実測電圧2.79V。前回と同じくダイソーの2個100円モノでしたが、今度はカタログ通り4ヶ月持ちました。今度も同じくダイソーの2個100円の新品と交換。

2017年11月21日 バッテリーサインが点滅。実測電圧2.81V。ダイソーの2個100円の新品と交換。

2018年4月20日 走行中に画面表示が消え、バッテリーサインが点滅。クリックすると計測復活するも点滅は継続。実測電圧2.54V。ダイソーの2個100円の新品と交換。

2018年10月22日 iPhoneとペアリングして走り出した直後、バッテリーサインが点滅。1時間ほど普通に動作。実測電圧2.71V。キャンドゥの2個100円の新品と交換。

2018年12月6日 バッテリーサインが点滅した状態でペアリングをした所、液晶のセルが全部点灯、そして全消灯の繰り返しで操作に応答せず、リセットしても電池を脱着しても変化なし。実測電圧2.80Vになっていました。キャンドゥの2個100円の電池でしたが、1ヶ月半しか持ちませんでした。ダイソーと違ってメーカー名も書いてなく、ハズレ品に当たってしまったようです。

ブラケットの違いについて

ブラケットの違い

パドローネ スマートを始めとしたキャットアイのワイヤレス式サイコンに使われているブラケット(台座)の形状は、一見してRD100等の有線式サイコンのものと似ており、実際に入れ替えて差し込む事も出来ますが、実は中央部の出っ張りなどの寸法が微妙に異なっています。

CC-RD100ストラーダのブラケットにパドローネ スマートを差し込むと、裏側にあるクリックスイッチが押されっぱなしになります。逆にパドローネのブラケットにストラーダを差し込むとクリックスイッチが出っ張りに届かず、操作出来なくなります(もっとも電極がないブラケットに有線式サイコンを差し込んでも動きませんが・・)

例えば、自転車を複数台所有していて、普段は有線式サイコンを使っている自転車でスマホ計測しながらパドローネ スマートを使おうとした場合、ワイヤレスだから関係ないだろう、と有線式のブラケットにそのまま差し込んでもうまく動きません。

だたしバンドは有線式と共通品ですので、中央のブラケットパーツ(部品番号#1602193)だけ用意すればOKです。


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電池の異常消費 2022年8月27日新しい項目

電池がすぐなくなる

購入してから約6年が経過。

あれから右肩の骨にヒビを入れたり、脚の両脇の筋がおかしくなったりして、以前ほどアクティブには乗れなくなったものの、毎日の通勤に愛用していたクロスバイクとこのサイコンでしたが、ここに来て電池の交換頻度がすごく早くなってきました。兆候が出始めた頃は1ヶ月ほどで電池交換サインが出るようになり、そのうちほんの数日でサインが出始め、しばらくすると画面が消えてしまいます。その時点の電圧はたったの1V台と、ありえないスピードで消耗するのです。

ツイッターでの情報によれば、似た機種でそういう故障が実際にあったそうで、修理のためのメーカー送りは避けられない状況に。

しかしメーカーのサポート窓口に電話で問い合わせたところ、このタイプのサイコンは内部構造が一体化されているため細かい修理は行われず、故障内容に関わらず新品交換扱い。当然費用も新品を購入するのと同じ金額になるとの由。アマゾンでは6千円ほどで新品が手に入るところ、メーカー価格だと1万近くになります。

それにこう言っては何ですが、今や3千円台でスマホ連携可能なセンサー不要のGPSサイコンが手に入る時代、機能的に見劣りするものに、そんなお金はちょっと出せません。

というわけで、現在後継機を選定中です。


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