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バッテリーの交換

バッテリー交換

バッテリー交換の手順を書いてみます。

電圧はたったの12ボルトですが、不用意に扱うとたいへん危険。ドライバーが溶けたり、破裂や火傷の危険すらあります。初めての方も経験者の方も、十分注意しながら作業しましょう。


必要なもの

新しいバッテリー
Bandit250に使われているのはMF(メンテナンス・フリー)バッテリーで、容量は6Ah。YUASA製のYTX7A-BSまたは同規格のものが適合します。作業する前に付属の取説にもよく目を通しておいてください。
10ミリのボックスレンチまたはスパナ
タンクを降ろすときに使います。
4ミリの六角レンチ
サイドカバーを外す用。シートの下にあるやつでいいです。
その他
プラスドライバー、紙ヤスリなど。

バッテリー液の注入

シールを剥がし

MFバッテリーは、新品状態ではまだ液が入っていない液別タイプが多いので、使用する前に付属のタンクから注入します。完全に入りきるまで10〜15分はかかりますから、Bandit本体のバッテリーを降ろす前に仕込んでおくのがいいです。
(注入済みの製品ではもちろんこの作業は必要ありません)


液を注入し

水平な場所にバッテリーを置き、上にある封を切って、注入口にゴミなどないか確かめます。

それから付属の液タンクをさかさにして、6つある注入口にそのままブチュッと差し込みます。漏れがないよう水平に確実に差し込んでください。

ポコポコ気泡が上がってきて、少しずつ液が入っていくのが分かります。均一に入っていかないときは、上から軽く叩いてみてください。

バッテリーメーカーの技術者はヤクルトのビンを見てこの液タンクの封方式を思いついたんだそうです(何かのラジオのインタビューでそう話していました)。でも中身は大違いの希硫酸ですから、もし目にでも入ったら大変。取り扱いは慎重に。


確実にフタをする

完全に注入が終わったら、ゴムキャップパーツを確実にはめ込みます。バッテリー上面と同じ高さになるまで押し込みますが、キツイ場合もあるので、ドライバーの柄などを使って確実に押し込みます。間違っても尖った先端で押し込んだりしない事。傷でも付けたらもう1個買うハメになります。

ほとんどのMFバッテリーは即用式といって、液を注入した時点で実用電圧が出るようになっていますから、特に追加充電をしなくてもそのまま使えます。ただし真冬の気温の低い日などには電圧が出にくい事もあるので、バイク屋さんの専用充電器で取り付け前に充電してもらうか、交換後に近所をひと回り走ってくるのがいいです。アイドリングの回転数では、あまり有効な充電はされません。


MFバッテリー(密閉型・シールドバッテリー)の充電をするにはMF対応の充電器が必要で、開放型にしか対応していない古い充電器で長々とチャージしていると、液漏れや最悪の場合破裂を起こす危険があります。

バッテリーの取り外し

台座を外す

まずはタンクを降ろします。サイドカバーと、タンクの後ろにある2本の固定ボルトを外すだけでもいいですが、慣れないうちはフレームからタンクを完全に降ろしてしまった方が安全です。


ボルトは4本

バッテリーを取り出すには、タンクが留めてあった台座をどかす必要があります。この台座はタンクを止めていたのと同じサイズのボルト4本でフレーム両側から固定されています。ボルトの長さが前と後ろで違いますので注意しましょう。


左に持ち上げ、どかしておく

この台座の裏側にはシートロックを解除するためのワイヤーやメインハーネスの支持サドルがつながっているので、無理な力がかからないよう、左側に起こす感じで開いておきます。


マイナス端子を先に外す

短絡(ショート)事故を防ぐためにも、バッテリーの端子は必ずマイナス側から先に外します。

先にマイナス側を外しておけば、もしプラス端子と周囲のフレームが何かの拍子に接触しても、バッテリーから電流が流れ出る事はありませんから安全です。外したマイナス側のコードが作業中にくねって端子に戻ってこないよう、確実に離しておきます。


プラスは赤い方

ショートが発生すると大電流が接触点に一気に流れ、その熱で細いドライバーくらいの金属棒ならバン!と弾けて溶けてしまいます。有毒ガスの発生やバッテリーの液もれ、最悪の場合破裂する危険もありますから、十分安全を確かめながら作業してください。


バッテリーの取り付け

右側がプラス

バッテリーを車体に入れる前に、バイク側のコード端子の接触面は細めの紙ヤスリで奇麗に磨き掃除しておきます。端子固定用の四角ナットやボルトはもちろん付属の新品に交換。

取り付け時は、外すのとは逆で、プラス側の端子を先に取り付けます。理由は上に書いたのと同じです。

プラス側に新品のボルトできっちり締め込み、赤い絶縁カバーを完全にかぶせ終わったら、マイナス側も確実に接続します。

あとは外したタンクやパイプ類をきちんと元通りにして、完了


交換した日付を

エアクリーナーなどと同じように、出来れば交換した日付をビデオのラベルシールにでも書いて、バッテリーに貼っておきましょう。普通なら数年に1度しか替える機会はないはずですから、前回いつ替えたのか忘れてしまう確率はかなり高いです。

もし次の交換を待たずにBanditを手放してしまう事があっても、次のオーナーにとって有益な情報となるはず。別途整備手帳などに書き込んでもいいですが、パーツそのものに書いておく方が単純明快です。


古いバッテリーの処分

バッテリーには有害な物質がどっさり含まれていますから、山中へのポイ捨てなど言語道断!必ずバイク屋さんか、専門の業者さんで引き取って貰うようにしましょう。別途料金がかかるかもしれませんが、それも必要経費のうちです。

最近は遠隔地からでも宅配便を利用して回収してくれるバッテリー回収ドットコムなどの業者もあります。